ほき4日記

つまひとり、こふたり、さらりーまん・ほきのへーぼんな日常。

希望する人

今日も昼過ぎに目覚めました。
ここん所、特に予定が入っていない週末はいつもこんな時間の過ごし方、もったいない。

こんなお父さんを置いてきぼりに家族は近所の公園に遊びに行っていました。
遅れてそれに合流し、駅前の図書館に行ってみることにしました。

うちの子達、毎週のように10冊ずつ絵本を借りてくるんです。
そして毎晩寝る前にそれを読んで貰ってから寝るんです。
私は寝たフリしているか、テレビを見ているかで、なるべく関わらないようにしているので、もっぱら妻が朗読するのですが、読んでいる本人も子ども達と一緒にそのままパタッと寝てしまい、私が最後に残されるんです。
恐るべし、絵本。

学生の時以来、図書館になんて全然行ってなかったので、図書館の雰囲気がとても懐かしかったです。

特にあてもなくウロウロしていたらある本に目が留まりました。
語学の棚にある「エスペラント四週間」(大学書林)です。

この本は僕自身が中学3年生から大学2年の頃までいつも手元に置いていたものでした。
懐かしくて手にしてみると中身は昔ながらの活字で幼なじみに出会えたような気持ちになりました。

エスペラントとは、ポーランドの眼医者さん・ザメンホフが考案した人工語で「希望する人」という意味です。
世界中の人達が誰の国の言葉でもない中立的な言葉でコミュニケーションして、平和に暮らそう、っていう動機で100年位前に作られたそうです。

僕は中学生の時、百科事典のコラム欄みたいな所でこの話を読んで(英語から逃げるように)いたくこの言語に興味を持ち、本屋さんで意を決して買った教科書がこの「エスペラント四週間」だったのです。
当時の私の中学生時代のお小遣いからすると結構高めな買い物だったことを覚えています。

以来、国際語でありながら周りに全然その言語を理解する人もいない、という状況で四週間を何度も何度も読み続けました。
高校3年から浪人生の頃にかけては、受験からの現実逃避もあって、ますます熱中してその四週間を読み続け、そこに載っている文法・単語は殆ど身につけていました。

「発音はローマ字読みに近い」らしいのですが、はっきり言って話したことも、話している所を見たことすらありませんでした。

大学に入ってみるとエスペラントのサークルがありました。
喜んで顔を出してみました。
こんなマイナーな言葉を独学で学んできた人が飛び込んできた、ということで歓迎して貰えました。
そこでは、初めて人がこの言葉でしゃべっているのを聞いてとても感動しました。

ところが…。
四週間を読んでいた時から気付いてはいたんですが、反米とか、共産主義を讃えるとか、そういう内容の例文が出てくることが多かったんです。
そのサークルは特にそういった活動とは関係なかったと思いますが、打倒米帝とかいきなり話し出す人がいて、なんか合わないな、と思ってすぐにフェードアウトしてしまいました。

それ以来、エスペラントとはサヨウナラ。

小さい時に近所の可愛い子に一目惚れして、なんとかお近づきになろうと色々努力して、大人になってやっと初めてお話をしてみたらとんでもなく性格の合わない子だった。
そんな甘酸っぱい思いがこのEsperantoにはあります…。